介護業界の言葉遣いの乱れ【タメ口問題】

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介護業界の言葉遣いの乱れ

介護業界ってなんで利用者とタメ口で会話している人が多いんです?

かすみ

かすみ

ほっさん

ほっさん

親しみがもてるとか、利用者からウケがいいとか色々理由はあるだろうけど、仕事である以上たタメ口は論外ですね。

スーパーとかコンビニの店員さんは普通に敬語か丁寧語ですもんね。

なぜ介護業界では正しい言葉遣いが浸透しないんでしょう?

かすみ

かすみ

ほっさん

ほっさん

では、今回は介護業界の言葉遣いについてお話していきましょう。

介護業界はなぜ「タメ口」が日常的に使われるのか

言葉遣いの問題は、どこの介護施設でもあると思います。

私の職場でもタメ口での会話は当たり前のようになっていて、自分だけ敬語を使っていると

「あれ、自分が間違ってるのかな…?」と不安になってしまうことさえあります。

職場でタメ口がまかり通っている理由としては以下の3点があります。

  1. 「親しみ」をもってもらいやすい、という勘違い
  2. 先輩職員の言葉遣い
  3. 利用者≠お客様という意識

① 「親しみ」をもってもらいやすい、という勘違い

1つ目は「親しみ」をもってもらう、つまり「親近感」がある。

そのための手段として「タメ口」を利用している、ということですね。

そもそも"利用している"という意識すらなく、ただただ普段の言葉遣いで仕事をしている、という方もいるでしょう。

しかし、確実に言えるのは「タメ口」から生まれるのは「親しみ」ではなく「馴れ馴れしさ」だけであるということです。

親しみとは、相手に対する思いやりや尊敬の気持ちがあり、礼儀正しい振舞いができる態度のことであり、

馴れ馴れしいとは、相手の気持ちを無視した、礼儀を欠く態度のことです。

馴れ馴れしい対応を続けるとどうなるか?

言うまでもなく、利用者からの「信頼」が無くなっていきます。

信頼は得難く、壊れやすいものです。

介護従事者として、このような勘違いには早急に気づいて欲しいものですね。

② 先輩職員の言葉遣い

2つ目は職場のベテラン先輩職員の存在です。

一人、言葉遣いが乱れているとそれはどんどん感染し広まってしまいます。

特に、職場のリーダー的存在の職員やベテラン職員がタメ口を使っていると、他の職員も

「あんな話しかけ方でもいいんだ」と思ってしまい、タメ口対応が当たり前になっていきます。

もし自分がリーダー的立場や先輩職員である場合はすぐに改善しましょう。

③ 利用者≠お客様という意識

3つ目は"利用者≠お客様"という意識の問題です。

介護施設では「利用者様」と呼ぶことがほとんどで、「お客様」と呼ぶことはほとんどありません。

しかし、"利用料を払い介護サービスを買っている"わけですから利用者=お客様であり、サービスを提供している私たちは職員=店員ということになります。

店員がお客様にタメ口を使う、これがどれだけ異常なことか。

社会人ならわかっていて当然ですよね。でも介護業界ではこれがまかり通っているわけです。

そもそも言葉遣いは議論にすらならない?

上司や経営陣が言葉遣いについて、改善しようとする気がない場合はどうしようもありません。

私の職場でもタメ口が当たり前になっている、と先ほどお話しました。

この状況をなんとか改善しようと、外部から講師を招いて言葉遣いに対する研修を行ってもらうため、企画書を上司に提出したことがあります。

その時の上司の第一声は「50万コースやなぁw」

(  ゚  Д゚)

冗談抜きでこんな顔になりました。

企画書の内容や言葉遣いに対する問題の話でもなく、お金の心配を一番にされてしまったのが悲しくて仕方なかったです。

その後、会社のトップとも話し合いをしましたが結局、私が望んでいた研修の開催には至りませんでした。

研修をするにしても、普通の研修では効果がありません。

普通の企業の研修では「お客様にタメ口で話しかけてはいけません」なんて言いません。

なぜなら、それは当たり前のことで、言わなくてもわかることだからです。

なので、介護業界で研修を行う時はそこをわかっている講師を招く必要があるのです。

介護サービスの割れ窓理論

私が介護業界の言葉遣いの問題について興味を持ったのはこの理論を知ってからです。

この理論は北海道介護福祉道場・あかい花 代表の菊池雅洋氏が提唱しています。

元々は犯罪心理学の「割れ窓理論」がベースになっており、

建物の窓ガラスが割られた状態をそのまま放置しておくと、外部からその建物は管理されていないと思われ、割られる窓ガラスが増えていく。という理論です。

もう少しかみ砕いて言うと、ちょっとした問題でも放置しておくとやがて悪化していってしまいます。それを防ぐために、小さな問題でもすぐに対応し、新たな割れ窓を増やさないように改善していこう、ということです。

この理論を介護サービスに当てはめたとき、最初の割れ窓が「言葉遣い」である、というのが「介護サービスの割れ窓理論」です。詳しくはこちらの菊池雅洋氏のブログ記事をご覧ください。

前項で私が研修の講師として名前を上げたのも、この方でした。

言葉遣いはとても大事で、マザーテレサのこの言葉がとても印象的です。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

タメ口でしか人と接することができない人は、その程度の人格にしかなれないということです。

この名言や介護サービスの割れ窓理論が、介護施設に少しでも知れ渡るといいですね。

ほっさん

ほっさん

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

かすみちゃん、どうでしたか?

なかなか根の深い問題なんですねぇ。介護サービスの割れ窓理論なんてのも、今まで知りませんでしたよ。

かすみ

かすみ

ほっさん

ほっさん

当たり前のことですが、出来ていない人が多いのも事実です。

少しでも介護業界の言葉遣いが良くなるよう、私も発信を続けます。

以上、お疲れ様でした。

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